結局、それは何者だったんですか?

人の記憶は「領域」という言葉に置き換えられるのではないかと思っている。


何年もぐだぐだと「領域」と称した話を書き綴っているけれども、それは人の記憶に固執しているだけのことである。


ある記憶を個人の課題にするのではなく、他の人にも話したいと思ったのが「領域」という考えの始まりである。ただの嫌な記憶でしかないのだけど、物語として昇華すれば面白くなるんじゃないかなと考えていた。条件付きではあったけど。


その条件は、それらを書ききったら、早急に書き手は自害することであった。といっても、今は前述の設定は消えている。なぜなら、1番書きたかった「領域」の話は書き手の記憶から消えてしまって、書くこと、表現することができないからだ。だから、「領域」の話を書ききることはできない。そのため、書き手は自害する必要が無くなった。


書きたかった話に順位をつけるとしたら、2番目に書きたかった話と、3番目に書きたかった話はとうに電子の海やら、どこかの特定個人に対して発表することができた。3番目に話したかったことというのはざっくり言ってしまえば、青年期の人間の話だ。どういう風に人間が思考しただとか、どんな悩みがあっただとか、ちょっと病的な行動だとか。2番目に書きたかった話は、なんだかよく覚えてはいないのだけど、書き手のなかではいつのまにか終わったことになっていた。


2番目に書きたかったことが、あやふやであるのならば、1番目に書きたかったこともあやふやになって、いつのまにかどこかへ発信している可能性があるかもしれない。そう考えるのは妥当であろう。その場合、設定に従うのであれば、書き手は早急に自害しなければならない。だか、その必要はない。1番書きたかった話は、物語の担い手とともに朽ちていった姿をしっかりと確認している。だから、その必要はなさそうである。


「領域」に絡む話を書き続けていけば、そのうち1番書きたかった話に突き当たって、その上で他に書きたいことが無くなれば、書き手は自害する可能性が出てくるのだろうか。それは今の段階では分からない。尽きるのが先で、後1つを探し続けるのか、それともその話を見つけるのが先か。それは書かないとわからない話である。


たまに生きるために文書を書くなんていう人がいるのだけど、そんなのクソ喰らえだと思っている。書き手は領域の話を書ききったら自害する設定になっているし、それとは真逆である。死ぬために文書を書いているといっても過言ではない。しかし、逆にも言える。クソ喰らえだと言いながら、書き手は生きるために文書を書いてもいるのである。それは、アディクションのある概念に近い。アディクション自体は死に近づいてしまうのだが、一時しのぎの延命には繋がるという。行為をする奴はすぐには死なないが、絶対に死なないとも言えない、なんてある界隈では使い古した言葉であって。そんな感じに近いのであろう。

書き手は何に生かされているのだろうか?

 

「領域」はゴミ、もしくは偏見の積み重ねということもできるであろう。記憶が積まれていけば、固定観念と言うのも生まれるであろうし、それによって誤解も生まれるだろう。書き手はゴミを重ねているとも考えられるのだ。それならば、なぜ書き手は書き続けるのだろうか。それは、ただのエゴでしかないであろう。


ゴミは積み重なると悪臭を放つ.


(終)


あとがき

これは、サブブログに書いたものを編集し直して、「領域」の説明に転用したものです。サブブログは現在は消滅してしまいましたが。実はこの記事の原型は2016年末には完成していて、やっと正しい形にできたというのが正直なところです。

初期にはこの後に、詩が続いていて今回の編集で消すか悩んだのですが、このあとがきの後ろに乗せることにします。この部分は全く触っていないので、文体がおかしいところがあります。本当は直したかったのですが、手の施しようがなかったです。もう、書いた時の気持ちに戻れないということでしょうか。一応、詩は本編の補足的な扱いになってます。

今年は、自分の作品を説明できるようになりたいと思っていて、そのために過去に書いた文書を引っ張ってきました。

 

アイソトープ
みんな、どうやって様々な領域や事情から立ち直ってるんだろうか。どうやって、生きてるのだろうか。分子レベルでは共有している部分があって、構成されていて。理解できることはあり得るのだろうか。

・fragment
自分を傷つける為に、人を利用することってあるのかないのか。

そういうのって、あり得るよね。自分で自分に手をくだすのは、怖いから人の手を使って。人の手を穢すことになるけど。そういう繰り返しな気がする。元々、傷ついてる人間を探して、舐め合いどころか、深め合うだけ。悪い方向に。傷の舐め合いは生温くていいですね、そんなんじゃない。傷つきたがってる人間を探してる。やりきれないことってあるじゃないか。生きていたら。償いがしたそうな人間を探す。そういう人間との関係性は気楽なんだわ。勝手に知りたくないことも、何でもかんでも言ってくれて、誰も救われないから。依存とは違う。これに関しては、断言したい。また、マゾ気質なんですか? という話でもない。だって、そんなのいつに始まったことやら。物心ついた頃にはそんな人間関係を好んでいたから。あぁ、こんなことを言ってるとそれなら愛のための物理的暴力も耐えられるのですねなんて思われそうだけど、それとこれとも違う。私が望んでいるのは言葉の暴力だから。
いや、暴力なんていう次元じゃない。なんだろうか、思いやりもあるんだよ。相手なりの。
そういうのが、DVなんですよって言われたら終わりなんだけど。

・neglect(self)
micro harm fragment 
Intermittently self blood

何かを言い表すだけの、必要最低限のパーツ。汚染された場所。
出会いたくはなかったが、必然的であった。回避ルートは、存在しなかった。
人のせいにしても、無駄。そんなことはできない。あり得ない。
壊された組織は元に戻らない。そもそも、やめる気なんてあるのだろうか。回数こそ減ったところで、自己同一性が失われそうで。ただの固執。別にほかのことでもいいんだろうね。記憶は薄れて、体の組織も入れ替わって、触れた組織なんてもうないんだろう。だけど、忘れたくないから、忘れるわけにはいかないから、そんなわがまま。相手は忘れられる権利を行使したがってるんだろうね。
代償行為、でもあるんだよ。そんなことは口が裂けない限りは言わないけどさ。(口語でね)
まぁ、へらへらしとけばいいのさ。真相なんて、いいはしない。生まれながらの、ピエロ気質だから。昔の人間はそういうのは悲しいななんて、ぶつけてきたけど。そんなことももう、昔のことだわ。忘れてしまったわ。

・ no title
漂白された、死骸、抜け殻。脱ぎ捨てられた何か。忘れちまった。何もかも始めからになっちまった。
ここは不衛生な場所ですね。

どこにあるの?