焦げた匂い

ある日、わたしたちの星は落ち神は消えた。

誰の選択でもない、意図もない、ただ相対的に落ちただけだ。

わたしたちは星を助けなかった。今まで通りの生活、なんてできるわけないのだけど、それはなかったことにしたくて、見ないふりをした。

星に対して愛とかなかったのかって、好きだったら、なんとかするんじゃないかって、そんな気力があったらいいねって話で。なにもかもできない。壊れてしまった星では。

星は助けを求める。だが、人々は無関心だ。気力を奪い取ってしまっていたのかもしれない。星として輝くためにまわりの力を奪っていた。明るいところに物資は集まり、影ができる。強い光の裏には強力な影ができて。そんなものかと星は思い、諦めて。降り注ぐ恒久の、

降り注ぐような明るさも無くなって、久しぶりに夢を見た。今までは眩しすぎてよく寝られなかった。夢といっても楽しいことではなく、ただ、何もないところに歩いて行くだけの話であった。よくわからなかった。

明るさが愛とか言うなら、そんなものに呑まれたくないと思った。

星が近づき、私たちは遠のいて。眩しくない距離を探している。