眩暈

とても眩しかった。届かないと思っていた。永遠に息なんて続かないから、諦めてた。

いつの間にか近づいてた、眩いばかりの枠組。思わず目を背けた。1本だけ編み上がった線を見せてくれて、その魅力を伝える、ーー。抜けられない箱があった。良さはわかっても、それに縋れない。絶望なんてまだまだなどという。綺麗事を並べる。言葉に重さはないが、乗っていきたい感覚もあった。責任転嫁してしまえば、問題はない。少し物語は暗く、そういうものだという。歯向かえばいいとか甘い囁き。

言葉は軽くなんてなかった、軽く感じてただけ。重量級の選手の一撃くらいの重さはあったみたい。その重さをどこで纏ったかなんて聞きようがなく、重さだけをじわじわと味わう。ひりひりと痛む、顔面。誰にもぶたれたことなどなかったのに。感じないようにしてただけか、たまたま重さが決まったのか。

どうにでもなれと眩暈を起こす。誰のものでもなくしてしまえ、全て大きな物語、枠組みにしてしまえばいい。

柔軟性のあるゴムみたいなものなんだ、住み慣れたところに片足突っ込みながら出てこれば十分だって、綺麗な言葉で。綺麗すぎて、泥まみれな者には不似合いな気がして、乗り切れない。

泥を分解すれば、ちょっとした腹の足しにはなる。それでいいんだと思う。なれた手つきで泥を操作すればいい。泥は泥臭くなく、無味無臭な泥だし。

ただの言い訳、自然な泥を浴びたことはあったのか。**は思考を巻き込む。

自然な泥を浴びた、生々しくとても気持ち悪い。いつもの感覚戻すために、架空の泥を作る。どうにでもなれ、1つや2つ傷が増えようが変わらない。

自然に文字は増えてく。泥みたいに操作はできない。真っ直ぐに構えば、眩しくて壊れそうで、触っていけない。

彼女は眩しすぎる、まだ神々しかった。届きそうな気はするが、伸ばせるだけの気力を、適当な物語を。そんなことがあっても口癖は変わらない。また会えたらいいのになぁって。ずっと埋まらない、だけど今は違うかもしれない。