出航

賞味期限の切れた生クリームのような言葉は必要無くなった あれは夏のことだったか、頭は揃えたのに流せなかった語りが1つ。今更流したいとも思わないけれど、少し心残りだ。それならばこの大晦に別の語りを流そう。友のために。 僕はいつも街を眺めていた…

テキストボックス

少しだけ昔の話、私たちがまだ宇宙だった頃。誰かに捧げたかった言葉。 ふと、物語の断片を拾う。断片なんて言い方は好きではない。でも、それしかうまく言う方法はなかった。断片、まとまっていないもの。未分化のもの。私たちはそれらを拾っている。拾った…

ユメウツツ

半分以上うなされながら文字を書く。 熱中症みたいな感覚。とにかく暑すぎる、なんともいえない気だるさがある。 格好良くなれない、このままじゃ。鳥がうまく飛ばなかった、という騒ぎの話ではない。失敗している。 直視できない眩しい存在。どうしても明る…

「神」 お父様は、僕に文學の才能をお与えにならなかった。 お父様は、僕に藝術の才能をお与えにならなかった。 お父様は、僕に何の能力もお与えにならなかった。 ただ、存在するだけを望んでいたのでしょうか。