私って都会の濁った空気が好きなのではないか? と思った。
確かに、都会の濁った空気にはいろいろな気持ちが混ざっていて面白い。
排他的なのだけど、人を求めてやまない人間たち。
自分はできると思い込んで、虚構の世界に立つ人間たち。
私はそんな人間が好きだ。それは、自分自身でもあり、私の大切なものでもあるからだ。大切なものを表現することはしないが。
痛々しいところが人間の好きなところだ。他人の傷ついた話はとても好きだし、他人の心理を研究することも好きだ。
結局、私は都会の濁った空気が好きだった。