歯医者に行った

お題「今日の出来事」

 2年振りに歯医者へ行った。

 最近、ある老人の歯医者に付き添ったのがきっかけだ。ある老人は歯は丈夫であり、唾液の出るほうであったため、定期的に検診に行けばなんら問題のない歯であったのだが、認知症を患ってからは、歯医者に行ったことはなかった。

 最近、老人は介護老人ホームに入所し、歯医者も訪問してみてくれるということで、歯を見てもらった。すると、前歯に大きい虫歯があり、神経を抜く必要が出た。そのため、老人を歯医者に連れて行かなくてはならなくなり、歯医者に付き添ったということだ。その縁で、私も歯医者を予約し、久しぶりの歯医者へ行ったのだ。

 やはり、二年分の汚れは溜まっていた。といっても、以前行った歯医者というのは歯を削るのが趣味のような歯医者で、虫歯を削られた思い出しかない。(ある地区の歯医者人気ランキングを調べると必ず上位にある歯医者だったのだが)実質、清掃のための歯医者に行ったのは3年振りくらいかもしれない。

 そのため、歯石を除去するのに1時間くらいかかってしまった。この記事を書いている時も、なんだか歯が浮いたような感じがして、歯がむず痒い。とりあえず、人に甘噛みしたくなってしまったが、仕方なく眠気覚まし用のガムを噛みながら、記事を書いた。

 歯を削って治療するというのは、初期虫歯であれば、最近はあまり行われないことを知った。削ってしまうと、またそこから虫歯になってしまうし、歯に負担がかかるからだそうだ。進行止めを塗り、歯磨き指導をした方が良いらしい。せっかく良い歯だから削らないで歯磨きを頑張ってくださいと言われた。

 老人の歯の治療は後、三回ほど通わないと終わらないそうであるが、私の歯の清掃は1回で終わった。次は半年後の定期健診でよいそうだ。自分の歯の清掃中に隣の患者の話がちらっと聞こえてきたが、それによるとその人はかなりの虫歯であるが、歯医者的にはできれば削りたくないので、まめに清掃のために通ってほしいという内容だった。いい歯医者だなと感じた。なぜなら、削ってしまった方が、歯医者としては簡単であるし、また報酬というのも大きいからだ。患者のことを考えているんだなと思った。ここなら、老人を任せても大丈夫だろうな安心した。本当はもう一人の老人にも歯医者に行ってもらいたいが、それは難しいだろう。

 老人は比較的家柄が良く、幼少期から積極的に歯医者に通っていたようで、今回の治療に関しても、歯医者に行ったときはあまり抵抗がなかった。(訪問治療の時は、日常空間に歯医者が来て、それが理解できずに騒いだそうだが)しかし、もう一人の老人は若い時はかなり苦労されていて、歯医者などろくに行ったことがない。できれば歯医者に行ってほしいのだが、周りの意見を聞かない方であるし、今までのことを考えると難しい。今はまだ、軽度の認知症でしかないし、歯の状態もそこまで悪くはないが、糖尿病を患っていることを考えると心配だ。老人も奇跡的に唾液の分泌量が多かったために、前歯の虫歯だけで済んだが、その老人も糖尿病を患っているので、危ないところであった。認知症歯周病の関連もあるし、また糖尿病を患っていると、傷が治りにくなるので、かなり悪い状態である。

 歯って考えているより重要であるし、手間のかかる問題である。私がいくら思考しようが、もう一人の老人は言うことを聞かないだろうが。