3月、振り返るように陽の近くへ


今年も3月がやってきましたね。ブログなんて書いている場合ではないんですけど、思想は自然にブログへ向かってしまって。去年はブログを書かないでおこうとして、過去記事を再掲した記憶があります。昨年の3月末は初めて博多の方へ旅行に行って、その後名古屋を経由し、意味の分からないタイミングでコロナのワクチンを追加で打って関東へ向かった記憶があります。その後、2回も博多方面に向かうことになるとはその時は思ってもいませんでしたね……。まあ、公私共にいろいろあったなと思います。去年の3月を思い出そうとして自分の過去tweetを検索して眺めてみるのだけど、労働で疲れいる話が半分、他者の卒業や移動について言及している話が半分って感じだなと思いました。労働は今考えても過酷だったなと思います。確かにそんなことがあった、と思い返しながらも、移動中に新譜を聞いた話があってここは変わらないなと思ったり。

 

今年は1週間くらい沖縄にいます。一人旅としての沖縄は初めてなのでまったりと過ごせて楽しいです。現地で多少仕事をしながらの観光ではあるのだけども、沖縄の時の流れ方は内地と違うなと思います。ゆったりと時が流れているように感じます。博多に長く滞在した時もそれは少し感じたけれど、より沖縄の方がゆったり感があるな、と思っていて。毎年3月は絶望的な気持ちになっているので、この沖縄のまったり感に救われています。今年は例年よりは軽い気持ちになっているような気もするけれど、まだまだ分からないなと思ったり。でも、この時期に沖縄に来れたのは私個人にとってあまりにも意味がありすぎるな……、と思います。

 

 

今までの3月企画は代替的な意味が強かったんですね。海辺ツアーだと言っていたし、基本的に海辺の街ばかり選んでいたのは意味があって。海辺にずっと恋をしていて、どうにか許されたいな、なんてずっと願っていて。でもどこの海辺でもいいってわけではなくて、本当はずっと沖縄の海のことを考えていた。

去年、初めて西へ近付くことができて、もう少しで思いが成就するんじゃないかと予感はあって。そしてようやく沖縄に来ることができたな……、と思っています。でもこれはライブに行く、という目的が一番にあったから運勢変わったなと感じていて。一人旅としての沖縄がこのタイミングであったのはあまりにも命運を感じるな、と。もっと早く来たかったとは思うけど、でも今だからこそ解釈できることはきっとあると思っていて。素敵な出会いも、地図を見ない旅も、一晩の運命も今じゃなきゃできなかったと思うから。

 

 

ももぞうさんだけを連れて、海辺へ。

私と彼らの境目、彼らの言語が聞こえなくなってもう何年も経った。私は変わる気なんてなかったけど、嫌でも人は変わっていく。私もどうやらあの時と比べるとずいぶん変わってしまったらしい。自分では気付いていなかった、いや気付こうとしなかったけど。理想と記憶の中だけに彼らは存在していて、すべて美化されて。彼らはそんなにも美しいものだったのか、きっと正しく伝えることはできない。でもそれが私たちの全てで、それ以上のものはないと思っていた。彼らは深海へ、偽物の私だけが残った。ああ、なんでこんなことにとは思ったけど、どうしようもなかったと今なら思える。それが時を越えるということだから。彼らのことはどうしようもなく美しかった、と思い続けている。海辺で別れと決意を毎年3月に繰り返していて。そして、今年は浦添の海岸沿いへ。3月とは思えないくらいの暖かさ、海をバックに写真を撮る観光客、赤ん坊を連れて歩く地元の人。少し休んで食事。潮風を感じながら。たくさんの話を海辺に語りかけて。ようやく彼らと、そして海辺と話ができたような気がした。何年もずっと恋をしていた相手にようやく逢えたような感覚。愛おしい、ここまで来るのはあまりに長かった。実際の時間よりもずっと長く感じて。ようやく、ようやく折り合いがついた。別れではなくて「在った」という事実を覚えていくということ。ああ、これはあの人に関する感情に近い。ねえ、魔法の真髄、今更分かったよ。全部後追い、でもいつか一緒に走れることを願っている。思い続けるということ、それ自体が彼らにとっての一番の方法だったんだ。近くにありすぎて気付かなかった。叶わなくても、叶ったとしても関係なくて。彼女の愛した言葉は昇華されて次の言葉を紡ぎ、彼女が越えられなかった3月を今年も越えようとしていて。そういう意味では時の流れは早い。忘れてしまうのが正しいのは分かってるけど、どうも性質的に難しいわ。ごめんね。でも、あの魔法を追いたいと思ったのは自由意志かな。それもごめんね。同じ景色を見ることなどきっと不可能で、でもかつてあの海辺にはそれがあった。そんなのないよ、って南の海は事実を優しく告げる。彼らと心中すれば話を完結させることはできたでしょう。でも、他の話を選んだ。その先を見たいと思ってしまったから。でもそれは彼らのことが嫌いになったからではない。それだけは分かってほしいなと願う。

 

―落ち着いてつまらない人間になってしまいましたね、かつての盟友。

そうだね、君との約束は果たすことができなかった

―あの時はあんなに一緒だったのに、許せない

別に許される必要はないわ、お互い様よ