綺麗に吐き出すだけの手段は無くて

ふと物語の断片を摑まえる。特定はしない、どうせ誰かの断片の断片だろう。言語化させよう。イメージを文字に、物語に。できるだけ造形物で覆って、美しいように、それはいつも通りに。

なぜかできなかった。汚い吐瀉物にしかならない。物語とも言えない何かのシーン。作り出すことを呪われた人は呪いの中にいて。うまく分けられないゴミ。せめて分別くらいは。

創り出せばいい、何かを元に作るわけではなく、明らかに新しいシーンを追加して。そう決められていた。今も昔も。

世から取り残された感覚で。箱庭なんていう空虚な箱も消え去り。星は恒星同士の距離のように遠く、認識しあえるくらいしかできない。ただ、こちらから見えたと言って相手から必ず見えているわけでもない。イコールじゃない。

断片は綺麗に味付けされて、誰かの嗜好に合うように添加物をたっぷりと使用して、過剰なまでに包装を施す。遠い未来でも食べられるように。

1つもまともなことなど言っていない。それが嘘であり、本当でもある。どちらとも取ることができる。本当と思いたければ真実だと考えればいいし、嘘だと思うなら嘘だと思えばいい。

思い込みの力は強く、どんなことでも本当になってしまう。別に嘘がいけないなんてことはない。それを仰る人が嘘みたいな存在なのではないか。

断片はいつもみたくに輝いてはいなかった。何の色もない、灰色とか暗い色ですか? そんなことはない。強制的な色、色集めしてたことを思い出す。色は決められていて、先駆者の指示通りに色を集めていく。先駆者を通してしか、色を見ることはできない。それは洗脳か、それとも教育か。今となっては分からない。

今日は暑いですね。暑いといえば、最近の異常気象でしょうか。か細い彼女は暑さで死んでしまいました。彼女はいつのまにか死んでいたのです。明るい人物ではなかったけれども、死を引き連れているような感じではありませんでした。しかし、消えていました。僕らの知らないうちに。

小さい雫をじっと眺めていました。そこから飛び出すものが止まってもなお、愛おしく思いました。

fragmentは終わ……