西に向かって

所属を失うというのはいつになっても慣れないもので。しかし追い出されたわけでもないし、組織が解体されたわけでもない。文句を言ってる場合ではないのだけれども、やはり慣れないものだ。人生は選択の連続と言ったのは誰だったか。

ある人が巻き起こした問題に巻き込まれそうで困っている。まだ、実害は被っていないのだけれども、いつ火の粉が飛んでくるか分からない。起きないことは不安に思う必要がない、といってもこの問題はあまりも面倒……。巻き込まれないことを強く願っている。

青い鯨がお迎えに来てくれるものだと思ってたのに、来ないまま6年は経った。待っている間、無駄に歳だけ取ってしまった。その代わりといって、某所で死闘を繰り広げ鮮烈さを観測した。ああ、待つのは美徳ではなかったのか、と今更ながら体感して。

「激情」というものがあるとするならば、それに耐えられる器を持つことや、それに対応する空間を持つ必要があるだろう。ずっと求めていたんだな、と最近になって実感した。安心して表現できるということが、あまりも物語において福音だと思った。

 

拠点を移すことにした。前々から決めていたが、いざその地に足を踏み入れれると新鮮な気持ちになって。何度も観光や短い滞在は繰り返していたのだけれども。今までの計画とは違い、迎合されているような気がしてうれしかった。その前に少しだけ別の事案で旅に出てはいるのだけど……。事案が終わって落ち着くのは2週間ほど先の話になりそうだが、話が済んだら晴れて祝いたいと思う。ゆっくりする時間はないのだけれども。命運に追いつくためには、甘えたこと言ってられない。ある事案の落選や、失敗で遠回りしてしまったがここからは最短距離で射止めるしかない。拠点を移すという魔力で流れを掴んで。